her/世界でひとつの彼女

私の最近のテーマは「ドキドキしているか?」で、そのテーマに沿って生活していると『her/世界でひとつの彼女』という映画をよく目にするようになった。

で、さっそく観た。

監督は音楽好きならみんな知っているスパイク・ジョーンズ。

スパイク・ジョーンズの映像は昔から好きだから、まぁ映画が良くなくても価値はあると思い、それほど期待せずに観た。

映画が良くなくても、、、って思った理由は、コンピューター(AI?)に恋する話ということだったんで、誇大妄想な映画かもしれない感じだった。誇大妄想的なSF映画はそんなに好きになったことがなかったので、あまり期待してなかった。

けど、すごくよい。

観終わった後は、何とも言えない感情が残って、その感情をどう処理して良いのかわからなかったくらい。はじめて経験する感情だった。AIとの恋愛にドキドキするなんて、自分が「未来」に住んでいるなと感じた。

誰も観たことのない、ラブストーリー。映画で誰も感じたことのない愛おしさ、切なさ。

もっと感想を書こうと思ったけど、映画のWebサイトに載っている映画監督の西川美和さんのコメントがよかったので引用します。

「残念ながら、この映画に共感は出来ません。私は、実体のある人間関係の構築に成功していますから」そうコメント出来れば幸せだった。いったいいつから、私の人生は、この映画に共感出来てしまうようなものになってしまったんだろう。ほんとうに新しく、ほんとうに今を生きる私たちの虚空と共に在ろうとする、素晴らしい映画だ。

これが言いたかった。

さすが映画監督で脚本家だけあってうまくコメントされてる。OSと恋をする話を普通に感動してみれること自体、昔では考えられなかったと思う。

あと、社会学者の宮台真司さんのコメントにある「手紙」部分にびっくりした。

コンピューター(OS)相手の恋愛。人間相手の恋愛。どこが違うか。古典的テーマだ。
人間相手といっても脳天をブチわったわけじゃないから厳密にはわからない。
OS相手といっても生身の人間が遠隔で操作しているかもしれない。
主人公はPCを使った代筆業をする。そもそも私たちの手紙からして相手の正体は分からない。
恋愛に限らずコミュニケーションは、確証不可能な前提の上にある<架空のゲーム>だ。
人間同士であれ相手を入替可能な存在として物格化したり複数恋愛するのはよくある。
OSの営みと違わない。それを認めた上で浮かび上がる愛おしさがある。
愛おしさは、相手が人間であれOSであれ、本質的には変わらない。

主人公は、手紙の代筆業をしている。

私は、設定が未来だから、「テクノロジーが進歩しても手紙というツールは残っているよ」的なメッセージとして観ていた。

しかし、宮台さんが書いているように、手紙はこの映画で描かれているAIに近いかもしれない。すごく似ている。

メールになるもっと似ている。手紙は文字に個性があるから出しての個性が出ているが文字の個性がない。

映画『(ハル)』も映画を観ている側だとメールを出している人間を認識できるけど、メールを出している本人たちは相手がOSであっても気づかなかっただろう。

ただ、OSとわかった上で恋愛するのはやっぱり凄いことだな。その物語を観て、感動するのも昔では考えられない。

The Moon Song

主題歌はコードが5つほどのシンプルな名曲。

映画のストーリー中で、スカーレット・ヨハンソンが歌っている。スカーレット・ヨハンソン版のほうもかなり良い。

つたない歌い方とか歌詞がストーリーにあっているし、ロマンチックだったり、直接的な愛情表現であったりすることに感動する。

このアニメーション版もすごく良い。

映画『her』はオススメです。

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